会計・税務の知識

2018年12月06日 発行事業所の社保加入手続き

じめに

求人サイト等で、「社会保険完備」という項目を目にしたことはありませんか?社保完備であることは求人応募の際に大前提とされることが一般的なのではないでしょうか。

では社保完備の事業所になるにはどうすれば良いのでしょう。今回は労働保険と社会保険の加入手続きについて解説します。

 

1.社会保険

(1)社会保険とは

社会保険とは一般に健康保険と厚生年金保険のことを指します。健康保険は業務外の負傷、疾病、出産等、厚生年金保険は老齢、傷害、死亡についての保険給付を行います。

(2)適用事業所

①強制適用事業所

(ア)法人事業所で常時従業員(事業主のみ含む)を使用するもの

(イ)常時5人以上の従業員が働いている事務所、工場、商店等の個人事業所

※ただし、サービス業の一部や農業、漁業等は、その限りでない

②任意適用事業所

従業員の半数以上が厚生年金保険の適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けた事業所

(3)健康保険・厚生年金保険新規適用届

社会保険の適用事業所となる場合、その成立日から5日以内に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を添付書類と共に事業所の所在地を管轄する年金事務所に提出します。

(4)健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

事業所が従業員を採用した場合等は、「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を事実発生から5日以内に提出します。

事業所に常時使用される人は、国籍や性別、賃金の額等に関係なく、すべて被保険者となります。

(5)健康保険被扶養者(異動)届

新たに雇用した被保険者である従業員に被扶養者がいる場合や、被扶養者の追加があった場合、被保険者が事業主を経由して「被扶養者(異動)届」を提出します。

 

2.労働保険

(1)労働保険とは

労働保険とは労働者災害補償保険(一般に「労災保険」といいます。)と雇用保険とを総称したものを指します。

(2)適用事業所

労働者(パートタイマー、アルバイト含む)を一人でも雇用していれば、業種・規模の如何を問わず労働保険の強制適用事業所となります。

(3)一元適用事業と二元適用事業

①一元適用事業

労災保険と雇用保険の保険料の申告・納付等を両保険一本として行う事業です。二元事業以外の事業が該当します。

②二元適用事業

その事業の実態からして、労災保険と雇用保険の保険料の申告・納付等をそれぞれ別個に二元的に行う事業です。農林漁業・建設業等が該当します。

※一元適用事業と二元適用事業とで多少手続きが異なります。今回は一元適用事業のケースを解説しています。

(4)労働保険保険関係成立届

労働保険加入にあたり、最初に提出が必要な書類です。適用事業所となった日の翌日から10日以内に所轄の労働基準監督署に提出する必要があります。

(5)労働保険概算保険料申告書

(4)の手続きを行った後、又は同時に所轄の労働基準監督署又は労働局に保険関係が成立した日の翌日から50日以内に申告、納付を行います。

提出後、申告書付属の概算保険料納付書が、必要事項が記入された状態で返送されます。その納付書をもって概算保険料の納付を行います。

(6)雇用保険適用事業所設置届

(4)、(5)の手続きを行った後、保険関係が成立した日の翌日から50日以内に所轄公共職業安定所に提出します。

(7)雇用保険被保険者資格取得届

労働者(被保険者)を雇用した日の属する月の翌月10日までに所轄の公共職業安定所に提出します。

 

おわりに

以上が社会保険加入の新規加入手続きとなります。提出期限がタイトなうえに、提出物も多いので提出が遅れないよう、あらかじめ準備しておくことが重要です!(担当:菅原)

PAGETOP

お問い合わせ