代表 小谷野幹雄のブログ

2022年01月20日売上最小化、利益最大化の法則 ~コロナ禍に負けない盤石経営~

小谷野です。

 

今回は、北の達人コーポレーション(東証1部)の木下勝寿社長の「売上最小化、利益最大化(ダイヤモンド社2021.6)」からです。

 

 

木下社長は在任期間中の株価ランキング1位(日経ヴエリスタ2020.10)、市場が評価した経営者ランキング1位(東洋経済2019)など、市場で注目される経営者です。

本社は北海道にあります。北海道の食材販売から始まり、現在は化粧品や健康食品の通販事業で高い利益率を誇っています。

 

 

 

<売上至上主義は誤り>

A社:売上100億円、営業利益3億円

B社:売上10億円、営業利益3億円

 

一般には売上が大きいA社が良い企業と思われるが、利益3億円に対していくらの費用をかけているかを見ると、B社は7億円、A社は実に97億円も使って非効率な会社との見方もできる。

多くの経営者は売上げを最大化しようとするが、売上げが上がれば単純に利益が上がるわけでもないのに、リスクの量は売上げに比例するので、売上げが少ない方が経営の安全性は高まるとの考え方もある。

 

 

<利益管理の手法>

自社の利益を管理するために独自の「商品別5段階利益管理」手法を使っているそうです。

 

① 売上総利益(粗利)=売上-原価

② 純粗利=①売上総利益-注文連動費(カード手数料・送料・梱包料)

③ 販売利益=②純粗利-販促費

  商品毎に分析することによって利益貢献しない販促費の洗い出しができるそうです。

④ ABC(*)利益=③販売利益-ABC(商品毎の間接人件費)

  販売に手間がかからず、

  社内で話題になることが少ない商品の利益が大きい場合が多いそうです。

⑤ 商品ごとの営業利益=④ABC利益-運営費(家賃・間接業務費)

 *ABC(Active Based Costing)活動標準原価計算:間接費用を製商品に配賦する手法の一つ。

 

 

<無収入寿命>

コロナ禍に負けない盤石経営のために、「無収入寿命」を意識しているそうです。

無収入寿命とは、売上ゼロでも現状を維持できる期間としています。

 

  無収入寿命=純手元資金(*) ÷ 月額固定費

  *純手元資産=総資産-固定資産-棚卸資産-流動負債

 

同社の現状では、売上がゼロになっても2年以上、社員給与の支払いが止まることはないそうです。

 

 

 

上記の論点他、「売れる」と「売れ続ける」は違う、小さい市場で圧勝するためのターゲット限定の認知される「目立ないプロモーション戦略」など、通販業界の高収益企業はユニークな財務視点を持っています。

 

 

 

~小遣い-遊興費=前借り、小谷野でした~

 

 

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