代表 小谷野幹雄のブログ

2019年03月22日ゲノム編集~科学は倫理も変えるのか~

小谷野です。

 

ビジネススクールのOB会で、講演者として米国でゲノム編集技術を開発した会社の方を招きました。
ゲノム編集とは、DNAの配列を変える、つまり螺旋(らせん)状部分を切り取ったり、新たに設置したりする事をいいます。
DNA情報を、まるでハサミとノリで切ったり貼ったりする技術が既に確立しているようです。これは、人間をコピーすることができる技術で、こうして生まれる赤ちゃんは、デザイナーズ・ベイビーとも言われます。

 

例えば、マリリンモンローと全く同じDNA配列にしたら、完全ではないが、一卵性双生児のように同じような外見の女性ができるそうです。
「CRISPR-Cas9」という遺伝子編集技術の用語は強く印象に残りました。

 

高校生物の復習です。
DNAは4種類の塩基Aアデニン、Cシトシン、Gグアニ、Tチミンの組み合わせでできています。人の体は60兆個の細胞からなり、細胞の核に遺伝子情報を持った染色体が23対、その中に30億対のATCG遺伝情報があります。

 

現在この米国企業は、ゲノム編集を動物で行っている研究機関へ技術販売をしているそうです。動物実験は行われていますが、人間に適用するのは倫理上の問題から違法もしくはタブーとされています。

 

しかし、2018年11月、中国で人間にゲノム編集を施した事例が発表されました。
受精卵のゲノム編集により、HIV耐性のある双子の女児が生まれたそうです。
ゲノム編集慎重派は、ゲノム格差が生まれると指摘しています。
遺伝子編集された人と、されない人の優劣の差が激しくなる、つまりお金持ちの子供は遺伝子編集をして優れた人類となる可能性があり、肌の色や性別による差別よりも複雑で深いものになる可能性を指摘しています。

 

さらに、編集する遺伝子を間違えたり、突然変異を起こし、人類にとって全く新しく恐ろしい病気が生まれる可能性など、人類の未来予想が難しくなると指摘しています。

 

一方、ゲノム編集の推進派の意見は、治療のために積極的に使うことを主張しています。
生まれる前に検査によって分かる異常をゲノム編集で治して出産させるべきであり、異常が分かっていて治療しないのは倫理上の問題があると指摘します。
何が倫理か分からなくなる議論ですが、科学が倫理を変えていく可能性を感じます。

 

~ 街中に同じ顔が溢れる時代が来る?、小谷野でした ~

 

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