代表 小谷野幹雄のブログ

2019年04月18日壮大な虚構ストーリー~郵便不正事件~

小谷野です。

2009年の障害者郵便制度悪用事件でえん罪となった
村木厚子元厚生労働省事務次官を囲む機会がありました。

事件は、身障者低料金郵便物の悪用事件で、本質は厚生労働省の企画課係長個人の
問題(日常業務に忙殺され団体を調査もせずに証明書を発行した)であった。
しかし検察は、国会議員、厚労省幹部、偽の障害者団体の結託による大型犯罪に仕立てるために壮大な虚構ストーリーをねつ造した事件です。

ストーリーに合わせるために、検察が証拠物件であるフロッピーディスクの更新日時の改竄をしたことが明るみに出て、一気に無罪の流れになりました。
無罪判決後、大阪特捜部の部長、副部長、主任検事3人が逮捕起訴され、検事総長が辞職することになった事件です。

村木さんは、実行犯とされた係長と会話をしたことがなかったにもかかわらず、「これは特別案件で大変であるが、よろしく頼む」と会話がねつ造されていたり、否認し続けているのに調書には「このような事件を起こして大変責任を感じております。」と記載されていたそうです。作り話の文学作品を読む気分だったそうです。

 

 

(学んだこと)
・正義の味方は「間違えました」「ごめんなさい」が言えない
「間違いを認めたら検察の信頼が揺らいでしまう
そのためには一人の犠牲などしょうがない」

 

 

・特殊な世界で長く働くと常識がずれる
「あなたの供述をひっくり返すことが私の仕事です」
「執行猶予のつく罪など大したことないので認めてしまえ」

 

 

・一度組織が走り出すと、自分だけ飛び降りるのは勇気がいる
検察内部でも、本件がえん罪と確信していた人たちがいたが止められなかった

 

(必要だった2つの支え)
・無実を信じて応援してくれる家族
・優秀な専門家

 

 

受け取った国家賠償金は全額、犯罪を犯した障害者の社会復帰を支援する
基金として寄付されたそうです。

 

ところで、「99.9(%)刑事専門弁護士」というTVドラマができるほど、日本の刑事事件の有罪率は高い。
検事が作る調書が最重要視されるのが一つの理由と言われます。
「とりあえず、早くここ(拘置所)を出るためにこの(嘘)調書にサインをして、真実は裁判で争え」という、否認する被疑者に署名させる殺し文句があるようですが、一旦サインをしたら裁判で調書内容を翻すことは極めて困難になります。

 

先月も殺人有罪判決29年後に無罪判決が出ました。
物的証拠がなく自白調書のみで有罪になった方が、調書内容が明らかに真実でない(意図的に隠されていた)証拠が明るみに出て無罪となりました。

今回の村木さん話は、遠い昔のことでは無く、つい最近の話であるところに怖さを感じます。

 

郵便事件から検察改革が行われた後の大型事案、ゴーン氏の逮捕劇。
創作ストーリーはないと信じたい。

 

~ 帰宅が遅くなったストーリーに悩む、小谷野でした ~

 

 

 

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