代表 小谷野幹雄のブログ

2013年09月19日ストックよりフローの安心感~毎月分配型投資信託ヒットの理由~

小谷野です。

 

毎月分配型の投資信託が大人気です。
人気の理由は、この投資信託の運用成績が良いのではありません。
この毎月分配型は、会社でいうと利益が出ていないのに配当をする、

いわゆる蛸配(飢えた蛸が自分の足を食べる姿から生まれた言葉)が生じています。
つまり、運用益では無く、最初に払い込んだ「元本」が戻されるのです。

 

また、この投資信託は手数料を購入時に3%、毎年2%、解約時に0.5%支払うのが一般的です。

「今月も通帳に分配金が振り込まれた」と、うれしそうにしているグランドシニアの方々を見ていると、

ファイナンス理論などではなく、毎月のお金の受取が大きな安心感を与えているのが分かります。

人気の理由は、論理的には理解ができないのですが、心理的なアナログ面で考えてみると謎が少し解けそうです。

保有している資産規模と日常の支出規模は必ずしも比例しません。
しかし、収入の規模と支出の規模は比例する傾向があります。

資産を10億円持っているが毎月年金10万円の収入しか無い人と、保有資産1億円でも毎月30万円の収入がある人を比べると、資産1億円で毎月の収入が大きい人の方がお金をたくさん使う傾向があります。

 

 

一般的には、資産が10億円もあれば毎年1000万円使っても無くなるのに100年もかかるので不安が無いはずですが、

実際には定期的な収入規模が小さいとささやかな支出にとどめる傾向にあります。
ストックよりも毎月のフロー収入が生み出す安心感が大きいのです。
年金不安があるこの国での自己防衛本能に火をつけた金融商品になったのでしょう。

 

~ 論理よりも心理 小谷野でした ~

 

蛸配.jpg

PAGETOP

お問い合わせ