代表 小谷野幹雄のブログ

2013年08月22日和紙の技術~伝統・営利・承継~

小谷野です。

 

埼玉県小川町で重要文化財である細川紙作りに挑戦しました。
紙をすくだけでなく、原材料の準備から行う貴重な経験でした。

和紙は日本の重要無形文化財として、細川紙(埼玉県)、石州半紙(島根県)、

本美濃紙(岐阜県)が指定されています。
また今4月、国は「和紙技術」をユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録申請しました。

(石州半紙は単独でユネスコ登録済み)

 

 

和紙の材料は楮(こうぞ)、三椏(みつまた-お札の原料)、雁皮(がんぴ)、

ねりとしてトロロアオイをつかいます。
本来真冬に冷たい川や水槽の中で行う材料準備は、相当な忍耐が必要な作業です。

ところで、埼玉伝統工芸協会の工房長のお話では、細川紙では幸運にも若手後継者が見つかりましたが、

全国的には後継者探しが大きな課題だそうです。

 

 

工房長の言葉で印象的だったのは、「後継者に、ちゃんとお嫁さんがもらえるようにしなくてはならない」

との言葉でした。
言い換えると、利益を出せる経済活動にしないと、価値ある伝統技術とはいえ承継は困難だということです。

 

 

和紙は一般大衆が日常的に購入するモノでは無く、寺院や芸術家、

他の伝統芸能の世界で消費されるという特殊性があります。

和紙をつかった大衆向け製品(照明器具、建設資材など)の開発に

力をいれていく必要があるそうです。

利益が出ていない親父の会社は、なかなか子供が継いでくれないのと似ていますね。

 

 

~ 伝統技術を営利事業に 小谷野でした ~

 

 

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