代表 小谷野幹雄のブログ

2019年06月27日救命救急センターの進歩~受入体制も改善~

小谷野です。

 

もう20年以上も前の事件になりますが、私の親友は救急医療体制の不整備で
35才という若さで逝ってしまいました。
彼とは12才からの友人で、バックパッカーとして世界を歩き、
テントを積んでオートバイ日本一周等々、老後の昔話に事欠かない仲でした。
本人の父親と同じく、脳出血をおこす循環器系の持病がありました。
2人目の子供が生まれた直後に脳出血で倒れ、家族が救急車を呼びましたが、
「専門医不在」や「満床(ベッドが空いていない)」との理由で
本人が通院していた病院はじめ、集中治療室や脳のオペができる病院全てに
受け入れを拒否されました。1分でも早い脳の切開手術が必要でした。
結果は、救急設備もない病院に搬送され、無処置(点滴のみ)で
意識不明のままベッドに寝かされて命を落としました。

 

 

一方、叔母は60代で脳内出血により倒れましたが、
2時間以内に脳の切開手術を行うことができたので、後遺症もなく、
その後90才近くになっても元気に生活しています。
病状が緊急重篤時、いわゆる3次救急には、高度な救急医療を短時間で
受けられるか否かで生死が決まってしまう不条理を長年感じていました。

 

 

この度、日本医科大学付属病院の高度救命救急センターの施設を
見学させてもらいました。
完成してまだ2年で、最新の救急医療のノウハウが凝縮された施設に
なっていました。

救急患者搬送入り口からの動線が見事で、ストレッチャー(担架)で
運ばれてきた救急患者は入り口近くの場所でCT等の検査はじめ、
様々な処置を行うことができ、患者の移動距離が最小限に抑えられていました。

エレベーターなどで患者をフロア移動すると大きな時間ロスを生じ、
命に関わるからです。

 

 

最も私の関心が高い、救急患者の受入状況ですが、
3次救急の重篤患者の収容要請は断らないのが基本方針だそうです。
屋上にはドクターヘリが着陸できるヘリポートもありました。
有事の際、自分はここに運ばれたいとも思いました。

 

 

今回見学した、日本医科大学付属病院(文京区)のように
「高度」救命救急センターと指定されているのは、都立墨東病院(墨田区)、
帝京大学付属病院(板橋区)、杏林大学付属病院(三鷹市)をあわせて
東京都では4ヵ所のみです。
救命救急センターと指定されている病院は、東京都で26ヵ所有ります。

 

 

以下、ミニ知識です。
<救急度の分類>
・1次救急:入院や手術を伴わない
・2次救急:入院、手術が必要
・3次救急:重症、重篤

 

 

<病院の救急対応分類> 数は東京都
・高度救命救急センター ・・・4
・救命救急センター    ・・・26
・救急指定(都道府県が指定) ・・・317

 

地域の格差は大きいようですが、
救急医療の受け入れ体制は改善しているようです。
厚労省の統計でも、3次救急に対応する施設数は
確かに年々増加しています。

 

~ 緊急家族会議! 重篤時の搬送先は? 小谷野でした ~

 

 

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