代表 小谷野幹雄のブログ

2019年09月12日レバレッジ~前提は基の命題~

小谷野です。

 

 

大手通信会社が、12兆円のベンチャーファンドを立ち上げるそうです。
通信インフラ事業の成長が鈍化してきたので、投資会社への変貌も念頭にあるようです。
こちらの経営者は、お金は豆腐のように数えるそうです。1丁(兆円)、2丁(兆円)・・・

お金の単位があまりに大きくなると、米国のロング・ターム・キャピタル・マネジメント事件を思い出してしまいます。LTCM(Long-Term Capital Management)は、ノーベル賞学者2名を受け入れて、
高度な金融工学を駆使して資金運用をしていました。
当初は大きな成績を上げていましたが、ヘッジファンドとして10兆円以上を預かる

巨大な規模になって形相が急変しました。
不特定多数の投資家が参加する市場を前提とした学者の理論は、自ら巨大な特定投資家になったために崩壊したのです。

 

簡単に言うと、自らの買いで金融商品の値段が上がり、自らの売りで値段が下がる、

市場の参加者ではなく、市場に直接影響を与える存在になってしまったのです。

プールにクジラが泳いでいるとも表現されました。
広辞苑によれば「前提」は「推理において、結論を導きだす根拠となる命題」と書いてありますが、

理論の前提がなくなっても運用を続けたのです。

 

ところで、LTCMの運用手法として、大きな「レバレッジ」をかけて収益を大きくする手法が目立ちました。

著名な投資家であるウォーレン・バフェットのように、割安な優良企業に長期間投資をして、

企業成長による株価の上昇利益を得る手法の真逆と言ってよいでしょう。
レバレッジ(leverage)とは、直訳すると「てこ」です。
手元資金が100万円の人が900万円借りて、1,000万円の取引をするのです。
これを10倍のレバレッジがかかっていると言います。
儲けも10倍ですが、損失も10倍になります。
LTMCは極端なレバレッジをかけた取引損失で破綻しました。

市場と関係者への影響があまりにも大きいとして、米国政府がこのファンドを救済することになった事件でした。

 

実は、経営でもレバレッジ(てこ)を効かせることが多く、手持ち資金だけでなく、

借入をして工場を作ったりするのもレバレッジです。

レバレッジのコントロールは経営者の重要な役目といえます。

 

~ 笑顔にもレバレッジ、小谷野でした ~

 

 

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