代表 小谷野幹雄のブログ

2020年03月12日細胞から人工肉~畜産業がなくなる?~

小谷野です。

ベストセラーになっている『クリーンミート』(日経BP社2020.1)を読みました。

ビーガン(完全菜食主義者)の著者が培養肉を食べるところから始まります。

 

 

世界的に畜産物の消費量は増加しています。

人口増加に加えて、発展途上国と言われた人口大国が経済成長を遂げ、

豊かになりつつあるのも影響しており、食の供給が追いつかなくなることが予想されています。

 

それで、「細胞農業」なる発想が生まれたようです。
少量採取した動物の筋細胞から、肉や鶏卵、皮までの商品を作ることができるようです。

小さな細胞1個から食肉を大量に作る技術が、既に確立されているという事実に驚きました。

30年後には動物を殺す必要がなくなると予想しています。
今食べている肉と同じ味のこのクリーンミート、もしくは植物素材から作るフェイク・ミートに

置き換わるとされています。

 

特筆すべきは、地球の温暖化防止に大きく貢献することです。
動物を飼育してその肉を食料とする方法は、肉のカロリーの何十倍もの穀物を餌として消費し、

土地を使い、大量の水を使い、大きなエネルギーを消費し、地球温暖化への影響が大きいのです。

 

食の革命となるこの「細胞農業」の起業家まで登場しているそうです。

大実業家も投資しているようで、ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、

リチャード・ブランソンらのブレイクスルーエナジーベンチャーズVCは有名ですが、

クリーンミートへの投資も始まっているようです。

世界最大の食肉会社が、遠くない将来登場するのでしょう。

 

動物の細胞は使わず、植物系代替品に置き換える研究も進んでいるようです。
この非細胞性作物は、脂肪やタンパク質などの分子から酵母や細菌などの微生物を使い、

牛乳や鶏卵などの人口のタンパク質を作るそうです。

そして最終的には遺伝子組み換えフリーの製品になるそうです。

いわば人口牛乳ですが、生産による環境負荷は異常に低い数値だったようです。

クリーンミートが市場に出回るには、「自然」という言葉を好む食の消費者が、

「人工」という言葉を受け入れなければなりません。

また、大豆などから作った植物性の肉、「フェイク・ミート」の品質進化はめざましく、

ベジタリアンや健康志向の人々を中心に既に市場が広まっていますので、

大きな競合になる可能性があります。
将来「昔は、生きた動物を殺して食べていた残酷な時代があった」と、

食肉解体施設を博物館で見るようになるのでしょう。

 

~ 毛根を培養したい、小谷野でした ~

 

 

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