代表 小谷野幹雄のブログ

2020年04月02日SNSとAIで世論操作~民主主義の危機か?~

小谷野です。

 

最近は、歌舞伎・バレエ・オペラ公演、海外研修はキャンセル、美術館は閉館と、

新しい刺激は書籍に偏ってきました。

今回は、NHK出版が2020.2.10に発行した『AI vs 民主主義』です。

 

<2016年の米国大統領選挙の真実>
2016年の米国統領選挙では、トランプ陣営が使っていたキャンペーン会社が、

SNSを使った世論操作をしたという噂がありましたが、

それが事実であったと断定されています。

ケンブリッジ・アナリティカ(英国軍事コンサルタント会社の子会社)が、

フェイスブックから入手した8700万人の個人データを解析して政治広告に使ったようです。
米国に限らず世界68ヶ国で世論操作のために使われた可能性があるともしています。

ここで活躍した仕組みが人工知能(AI)であったようです。
有権者の政治的傾向を分析し、いつ、どのタイミング、

どのように広告を出せば有効的かをAIが判断していたようです。

このような、心理分析に基づいたマイクロターゲティングの効果は絶大で、

偶然目に入った広告であるにも関わらず「その内容はなぜか自分の心をとらえて離さなかった」と言う

有権者インタビューもありました(恐)

 

<世論操作の道具はSNS>
米国有権者へのアンケートで、何から大統領選挙の情報を得るかに対しての順位は

 

1.テレビ
2.ソーシャルメディア(SNS)
3.Web・ニュースサイト

 

これを18才から29才の若い世代に絞ると、
1.ソーシャルメディア(SNS)
2.Web・ニュースサイト
3.テレビ

 

の順番になるようです。

 

<ディープフェイク>
嘘ニュースの氾濫、特に加工されたニセ動画の影響も強いようです。
AIの画像認識技術を使うと、高度なCG技術がなくても特定の人の表情や声が簡単に作れるそうです。

SNS上の嘘は確かに気になります。
先週も、「政府のコロナ緊急事態宣言が〇月〇日夜20時に発表される」など、

何十もの人から同じ告知文章が送られてきました。

もっともらしい嘘はウィルスのように短時間で拡散するようです。

 

<「知るべき情報」よりも「知りたい情報」に囲まれている>
新聞は「読みたい記事」に「読むべき記事」を混ぜて読者の世界を広げようとします。
最近は、若者を中心に新聞「紙」を広げる習慣、経験すら無くなっています。
ニュースはネットで見ているので新聞などは必要なしと断言する人も多いと感じます。

 

<民主主義は>
自分が知りたい情報だけの世界で生きる人には、自分の関心がない世界の人間への想像力を失い、

民主主義を成熟させる議論が成立しないとの指摘がありました。

もう後戻りできないSNSの時代においては、凝り固まった頭をほぐし、

様々な事への好奇心、関心を失わず、フェイクを見抜く力をつけていかないと、

特定の組織からの世論操作、意見誘導がされやすく、民意は実は特定者の意となる危惧が生まれます。

 

~ フェイク写真が見抜けない、小谷野でした ~

 

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