会計・税務の知識

2022年02月10日 発行(税制改正特集)適格請求書保存方式

はじめに

 

適格請求書等保存方式に係る見直しについて、ご案内いたします。

 

 

 

1.適格請求書発行事業者の登録

 

① 免税事業者が令和5年10 月1日から令和11 年9月30日までの日の属する課税期間中に適格請求書発行事業者の登録を受ける場合には、その登録日から適格請求書発行事業者となることができることとする。

 

② 上記①の適用を受けて登録日から課税事業者となる適格請求書発行事業者(その登録日が令和5年 10 月1日の属する課税期間中である者を除く。)のその登録日の属する課税期間の翌課税期間からその登録日以後2年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間については、事業者免税点制度を適用しない。

 

③ 特定国外事業者(事務所及び事業所等を国内に有しない国外事業者をいう。)以外の者であって納税管理人を定めなければならないこととされている事業者が適格請求書発行事業者の登録申請の際に納税管理人を定めていない場合には、税務署長はその登録を拒否することができることとし、登録を受けている当該事業者が納税管理人を定めていない場合には、税務署長はその登録を取り消すことができることとする。

 

④ 事業者が適格請求書発行事業者の登録申請書に虚偽の記載をして登録を受けた場合には、税務署長はその登録を取り消すことができることとする。

 

⑤ その他適格請求書発行事業者の登録に係る所要の措置を講ずる。

 

 

 

2.仕入明細書等による仕入税額控除

 

仕入明細書等による仕入税額控除は、その課税仕入れが他の事業者が行う課税資産の譲渡等に該当する場合に限り、行うことができることとする。

 

 

 

3.経過措置の適用

 

区分記載請求書の記載事項に係る電磁的記録の提供を受けた場合について、適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置の適用を受けることができることとする。

 

 

 

4.棚卸資産

 

適格請求書発行事業者以外の者から行った課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置の適用対象となる棚卸資産については、その棚卸資産に係る消費税額の全部を納税義務の免除を受けないこととなった場合の棚卸資産に係る消費税額の調整措置の対象とする。

 

 

 

5.公売等の取り扱い

 

公売等により課税資産の譲渡等を行う事業者が適格請求書発行事業者である場合には、公売等の執行機関はその事業者に代わって適格請求書等を交付することができることとする。

 

 

 

6.課税仕入れ等に係る特定収入

 

課税仕入れ等に係る特定収入について仕入税額控除の制限を受ける事業者が、その特定収入の5%を超える金額を免税事業者等からの課税仕入れに充てた場合について、法令又は交付要綱等により国等にその使途を報告すべきこととされる文書等においてその課税仕入れに係る支払対価の額を明らかにしている場合には、その特定収入のあった課税期間の課税売上割合等に応じその課税仕入れに係る支払対価の額を基礎として計算した金額を、その明らかにした課税期間の課税仕入れ等の税額に加算できることとする。

 

 

 

7.その他

 

その他所要の措置を講ずる。

 

(注)上記2.から7.までの改正は、令和5年 10月1日以後に国内において、事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れについて適用する。

 

 

 

おわりに

 

免税事業者が柔軟に適格請求書発行事業者になれるよう改正されます。

来年10月からの導入に向けて、適格請求書保存方式に係る細かい見直しがされます。          (担当:横瀬)

          

 

 

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