会計・税務の知識

2023年11月30日 発行【相続税・贈与税】配偶者に対する優遇規定

はじめに

 

 

相続があった場合、被相続人の配偶者の他、血縁者が相続人に該当します。

その中でも配偶者については被相続人の財産形成に最も貢献しているという観点もあり、いくつかの優遇措置が存在します。

また、贈与税は相続税を補完する位置づけにあるものですが、こちらについても配偶者に対する優遇措置が存在します。

今回は相続税と贈与税の配偶者に対する優遇規定について紹介します。

 

 

 

1.【相続税】配偶者の税額の軽減

 

 

①制度概要

被相続人の配偶者が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の財産額が、次の金額のうちいずれか多い金額までは、配偶者に相続税はかからないという制度です。

 

 1億6千万円

 ・配偶者の法定相続分相当額※1

 

※1民法上の相続分ではなく、相続税法上の相続分が適用されます。

 

②適用要件

相続税の期限内申告書に、この規定の適用を受ける旨の記載と、戸籍謄本等のほか、遺言書の写しや遺産分割協議書の写し等、配偶者が取得した財産がわかる書類を添付する必要があります。

 

③申告書の提出期限までに分割されていない財産

本規定は申告期限までに実際に分割された財産のみが既定の対象となります。

ただし、申告期限までに遺産分割協議が纏まらなかった場合等、財産が未分割となっている場合は、申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付したうえで、期限後3年以内に分割された財産については本規定の対象となります。

この場合は分割が成立した日の翌日から4ヵ月以内に更正の請求の手続きを行う必要があります。

 

 

 

2.【相続税】小規模宅地等の特例(特定居住用宅地)

 

①制度概要

被相続人、又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族の居住の用に供されていた宅地等を一定の者が取得した場合は、限度面積330㎡までに限り、その課税価額の100分の80を減額することができます。

 

②優遇事項

配偶者以外の親族が取得した特定居住用宅地については、相続開始直前から申告期限までその宅地の用に供された建物に居住し続ける必要がありますが、配偶者が取得した場合は申告期限前に売却を行ったとしても、本規定が適用されます。

 

 

 

 

3.【贈与税】贈与税の配偶者控除

 

①制度概要

夫婦の間で、居住用の不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合には、基礎控除110万円の他2,000万円まで控除できます。

 

②適用要件

・婚姻期間の通算が20年を過ぎた後に贈与が行われること※2.3

・贈与税の申告書に一定の書類を添付して申告すること

・贈与を受けた年の翌年3月15日までにその贈与により取得した居住用不動産に、その贈与を受けた者が現実に住んでおり、その後も引き続き住む見込みであること

 

※2民法上婚姻している事が必要で、内縁関係は対象外

※3同じ配偶者からは一生に一度のみ適用可能

 

 

 

おわりに

 

贈与税の配偶者控除の適用については、相続税の配偶者の税額の軽減の規定、小規模宅地等の特例の規定があるため、慎重にシュミレーションしないと逆に損をしてしまうリスクがあります。

(担当:菅原)

 

 

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