会計・税務の知識

2023年12月14日 発行インボイス制度における2割特例

はじめに

 

 

2023年10月1日よりインボイス制度が始まりました。

インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった方については、「2割特例」を利用することができます。

本稿では「2割特例」について解説いたします。

 

 

 

1.2割特例とは

 

インボイス発行事業者の登録を行い課税事業者となった事業者が、消費税の納税額を、売上に係る消費税額の2割で計算することができる制度です。

インボイス制度を機に免税の特典を放棄して、課税事業者となった事業者の税負担や事務負担を抑える目的で設けられました。

 

 

 

2.2割特例の対象となる事業者

 

インボイス制度を機として、免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になった事業者が対象で、インボイス発行事業者の登録をしなかったら免税事業者となっていた期間のみについて適用することができます。

そのため、基準期間の課税売上が1千万円超の事業者や資本金1千万円以上の新設法人など、もともと免税事業者とならない事業者については適用することができません。

また、課税期間短縮特例の適用を受けている場合なども適用することができません。

 

 

 

 

3.2割特例の対象期間

 

2023年10月1日~2026年9月30日までの日の属する各課税期間となります。

個人事業者の場合は、2026年分の申告まで2割特例を使うことができます。

法人の場合は決算期により異なりますが、3月決算法人では2027年3月期の申告まで使うことができます。

 

 

 

4.2割特例適用のメリット

 

課税売上に係る消費税に80%を掛けて、控除する消費税額(仕入税額控除額)とすることができ、実際の課税仕入等に係る消費税額を計算する必要がないため、消費税の計算方法が簡単になります。

消費税納税額を課税売上に係る消費税の20%とすることで、多くのケースで納税額を抑えることができます。

 

 

 

5.2割特例の適用が不利となる場面

 

卸売業の場合、消費税の簡易課税制度におけるみなし仕入率が90%となっており、2割特例の80%より有利な割合が設定されています。

そのため、簡易課税制度を適用した方が有利となりますが、通常は事前に届出を提出する必要があります。具体的には、簡易課税制度を適用する届出の提出期限は、適用したい事業年度の初日の前日までとなります。しかしインボイス制度に係る特例として、免税事業者がインボイス発行事業者の登録申請を行って、登録を受けた日から課税事業者となることができるという経過措置を受ける場合、登録開始日を含む課税期間中に簡易課税制度の届出書を提出することにより、その課税期間から簡易課税制度を適用することができます。

また、多額の設備投資があるなどの理由で課税仕入が多くなる場合には、原則課税で消費税を計算した方が有利となる場合があります。

 

 

 

おわりに

 

インボイス制度の導入により、消費税に関して事業者が検討しなければならない事項が大幅に増加しました。

2割特例を使うことで消費税の計算が簡単になり、納税額を抑えることができる場合が多いため、対象となる事業者の方は必ず理解する必要があります。

(担当:和田)

 

 

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