会計・税務の知識

2019年01月18日 発行教育資金の一括贈与非課税措置の改正

はじめに

世代間の資産移転を後押しし、贈与資金が教育に有効活用される仕組みとして、教育資金の一括贈与非課税措置があります。この特例について、平成31年度税制改正で見直しが予定されています。今回はその改正内容についてご紹介します。

 

1.現行制度の概要

平成31年3月31日までの間に、30歳未満の受贈者が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約(教育資金管理契約)に基づき、祖父母等から信託受益権を付与された場合や書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入れた場合等には、1,500万円までは贈与税が非課税となります。もし受贈者が30歳に達した時点で教育資金に使い残しがあれば、その残額には贈与税が課されます。

 

2.改正① 適用期限延長

本非課税措置は、以下3.~6.の措置を講じた上で、適用期限が2年延長(平成33年3月31日まで)されます。

3.改正② 所得制限の新設

現行制度上、受贈者に係る所得制限は特に設けられていませんが、改正案では、教育資金贈与時の前年の受贈者の所得金額が1,000万円を超える場合、本非課税措置の適用が受けられないこととなっています(平成31年4月1日以後の拠出から)。

 

4.改正③ 教育資金の範囲の見直し

教育資金の範囲から、23歳以上の受贈者に支払われるもののうち一部が除外されます(平成31年7月1日以後に支払われる教育資金について適用)。

【教育資金の範囲】

(1)学校等の入学金、授業料等

(2)塾や、スポーツ又は文化芸術をはじめとする習い事等の費用

(3)通学定期券代、留学渡航費等

改正により、受贈者が23歳以上の場合、(2)については原則として本非課税措置の適用不可

(ただし教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練の受講費用であれば、23歳以上でも適用可)

 

5.改正④ 贈与者死亡時の未使用残高の取り扱い

教育資金管理契約終了日までに贈与者が死亡した場合で、死亡日前3年以内に行われた贈与について本非課税措置の適用を受けたことがある場合、死亡日時点の教育資金の未使用残高(死亡前3年以内に行われた贈与に対応する金額)は、相続財産に加算され、課税対象となります(平成31年4月1日以後に贈与者が死亡した場合に適用、ただし同日前に行われた贈与は含まない)。

ただし、贈与者死亡日において次のいずれかに該当する場合は除きます。

(1)受贈者が23歳未満である場合

(2)受贈者が学校等に在学している場合

(3)受贈者が教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合

この改正により、相続開始直前における相続財産の圧縮として本非課税措置を利用することに、一定の制限が設けられることになります。

 

6.改正⑤ 教育資金管理契約の終了事由の見直し

現行制度上、受贈者が30歳に達した場合教育資金管理契約は終了します。

一方、改正案では、受贈者が30歳に達した場合でも、上記5.(2)又は(3)のいずれかに該当する場合には、教育資金管理契約は終了しないものとされています。30歳に達した日の翌日以後は、次のいずれか早い日に教育資金管理契約が終了するものとされています(平成31年7月1日以後に受贈者が30歳に達する場合について適用)。

(1)上記5.(2)又は(3)のいずれかに該当する期間がなかった場合におけるその年の12月31日

(2)受贈者が40歳に達する日

 

おわりに

今回の改正により、本非課税措置の適用期限が2年延長されるものの、新たに制約が設けられる部分もあるため、適用にあたっては注意が必要です。

今回は税制改正大綱に基づきご紹介しましたが、今後の法令通達により変更の可能性があるためご留意ください。(担当:伊藤)

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