会計・税務の知識

2018年11月22日 発行サプライチェーンマネジメントの基礎

はじめに

サプライチェーンとは、原材料が調達され、商品が消費者にわたるまでの生産・流通プロセスを言います。その一連の流れの中で情報を共有し、総合的に管理し、最適化することが「サプライチェーンマネジメント」です。

1.部分最適化から全体最適化へ

部分最適化とは、原材料の調達や製造・生産等の各部門が、個々に業務の最適化を目指すことを言います。しかし、各部門が最適化を目指したとしても、情報の共有等がなされず、全体としてみるとバランスが悪くなってしまいます。

そこで、全体最適化の実現のための経営手法として、サプライチェーンマネジメントが用いられます。

 

2.制約理論

制約理論とは、主にサプライチェーンマネジメントで用いられる最も重要な理論の一つです。

制約理論は、制約条件(スループットの妨げになる要因=ボトルネック)に注目し、全体としてスループットを最大化するための考え方を言います。※スループット=売上-(原材料や流通コスト)

例えば、大学生のサッカーチームに一人だけ小学生が含まれているとします。この場合の制約条件は、身長や体力面を考慮すると「小学生」となります。また、スループットは「勝率を上げること」になります。

そのため、サッカーチーム全体の最適化をするには、具体的には小学生を大学生に交代する等の必要があります。

3.ドラム・バッファー・ロープ

ドラム・バッファー・ロープとは、制約条件(ボトルネック)に注目し、生産工程等を最適化する手法を言います。

ドラム・バッファー・ロープの「ドラム」とは、生産工程全体を制約条件の速度にうまく調和させることを言い、次の「バッファー」とは、生産工程におけるトラブルによるロスを回避するために設けられる「余裕(空白)」のことを言います。最後の「ロープ」とは、生産工程のバッファーが開き過ぎないように調整することを言います。

よって、ドラム・バッファー・ロープを採用することは、制約条件を円滑に対処し、全体最適化を図ることになります。

おわりに

次回は、サプライチェーンマネジメントを採用することによるメリットやデメリット、業務別の実践例等を紹介させていただきます。(担当:白土)

PAGETOP

お問い合わせ