会計・税務の知識

2019年04月04日 発行消費税の軽減税率制度(一体資産)

はじめに

2019年10月1日より消費税等の税率が8%から10%に引き上げられると同時に消費税の軽減税率制度が実施されます。

今回は、消費税の軽減税率対象とそれ以外の商品が一体で販売される『一体資産』の取り扱いについてご案内いたします。

 

 

1.消費税の軽減税率制度とは

この制度は、社会保障と税の一体改革の元、消費税率引き上げに伴い、低所得者に配慮する観点から、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」を対象に軽減税率制度が実施されることになりました。

 

(1)酒類・外食を除く飲食料品

飲食料品は、食品表示法に規定する食品をいい、一定の「一体資産」を含みます。

 

 

(2)定期購読契約が締結された新聞

新聞とは、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般会社的事実を掲載する週2回以上発行されるもので、定期購読契約に基づくもの

 

軽減税率制度は、上記要件を対象として適用され、消費税率10%ではなく、8%で課税されます。

 

 

2.一体資産とは

消費税の軽減税率制度の飲食料品に規定されている、『一体資産』とは、おもちゃ付きのお菓子や、コーヒーギフトセット等、あらかじめ軽減税率制度の適用対象である食品と食品以外の商品が一体として販売されるものをいいます。

 

原則、軽減税率の適用対象外となりますが、下記のいずれの要件も満たした場合は、軽減税率の対象となります。

【要件】

税抜価額1万円以下
食品の価額の占める割合が2/3以上

 

 

3.税抜価額1万円以下とは

軽減税率の対象となる一体資産の要件で1万円以下と規定されていますが、税抜価額が1万円以下の場合は、軽減税率の対象になります。また、税抜価額が1万円超の場合でも、通常は10%が適用されますが、クーポンや値引きなどによって、税抜価額が1万円以下となった場合は、軽減税率の対象となり、8%が適用されることになります。

 

一体資産の取り扱いの多い小売業者などは、軽減税率制度を適用するにあたり、商品の金額による判定のみで販売を行った場合は、クーポン、値引きなどに対応できなくなってしまいます。レジなどのシステムで『軽減税率対象』や値引き後の金額を記載するなどの対応の検討が必要になります。

 

 

4.食品の価額の占める割合が2/3以上とは

一体資産の軽減税率の要件の2つ目として、一体資産の価額の内、食品の価額の占める割合が2/3以上と規定されていますが、この『2/3以上』とは、合理的な方法により計算した割合が2/3以上でないといけません。合理的な計算方法とは、売価に占める食品の売価が2/3以上、一体資産の食品の原価の占める割合が2/3以上と判定する方法があります。

この場合、それぞれの資産の売価もしくは原価を管理・把握していないと、軽減税率の対象かどうかの判定ができなくなるため注意が必要になります。

 

 

5.こんな場合はどうなる?

〇100個単位でのみコーヒーと玩具のセットを販売し、10万円(税抜)で販売している場合。

1個当たりの販売価額は1,000円となり、要件①を満たし、コーヒーの販売価額もしくは仕入価額が2/3以上の場合は、軽減税率が適用されます。

 

 

〇ケーキと玩具のセット10,500円(税抜)で販売し、クーポン(3,000円)を利用し購入した場合。

ケーキセットは7,500円となり、ケーキの販売価額もしくは仕入価額が2/3以上の場合は、軽減税率が適用されます。

 

 

おわりに

今回は、消費税の軽減税率の内、一体資産について解説しました。多くの事業者、消費者にかかわる制度になりますので、ご不明な点などございましたら、弊所までお問合せください。(担当:中村)

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