会計・税務の知識

2019年05月30日 発行美術品が会社の経費になるためには

はじめに

美術品の購入は経費にできないものだけではありません。

一定の条件を満たせば経費にすることが可能なものもあります。

特に、平成27年1月1日以後に取得する美術品等については、

減価償却資産にできる範囲が取得価額20万円未満から取得価額100万円未満になり、

より多く減価償却を通じて経費にできるようになりました。

今回はその取り扱いを中心に紹介していきます。

 

 

1.経費になる美術品とは

経費にできるかどうかは目的により異なります。主に下記のものが経費になります。

 

①購入目的が販売用の場合

→棚卸資産になります。

 

②購入目的が社内に飾る場合(応接室など)

取得価額が100万円未満の場合

→原則として、減価償却資産に該当します。

取得価額が100万円以上の場合

→原則として、減価償却資産に該当しません。

 

ただし、「時の経過によりその価値の減少することが明らか」である場合には、

100万円以上であっても減価償却資産に該当し、「時の経過によりその価値の減少しないことが明らか」

である場合には、100万円未満であっても減価償却資産に該当しません。

この場合の「時の経過によりその価値の減少することが明らか」とは、

不特定多数の者が利用する場所に飾るもの等で、移設することが困難であり、

他の用途に転用した場合に市場価値が見込まれないものを言います。

 

なお、取得価額が10万円未満の少額の減価償却資産や30万円未満の中小企業者等の

少額減価償却資産の適用も受けることができるため、全額消耗品として経費にすることもできます。

20万円未満の一括償却資産として3年で均等償却することもできます。

 

 

2.取得価額に含まれる範囲

購入により取得した減価償却資産の取得価額は購入代価に購入費用の額を加算した金額と

事業の用に供するために直接要した費用の額の合計額であるため、

美術品については美術品の購入代のほかに、額縁代、包装費、引取運賃、

荷役費、運送保険料、購入手数料、関税等などについても取得価額に含めることになるので、

100万円未満かどうかについての判断に注意が必要です。

 

 

3.耐用年数

器具備品に該当し、下記の区分に応じた年数となります。

①主に金属製以外の室内装飾品:8年

例、絵画・陶磁器・彫刻

 

②主に金属製の室内装飾品:15年

例、金属製の彫刻

 

なお、減価償却方法については、定額法又は200%定率法になります。

 

 

4. 償却資産税との関係

美術品が減価償却資産に該当した場合には、一定の方法により計算した金額で1月1日現在に所有している他の償却資産も含めた合計額が150万円以上の場合には償却資産税がかかることになります。

なお、使用期間が1年未満又は取得価額が10万円未満を要件とする少額の減価償却資産や取得価額が20万円未満を要件とする一括償却資産とした場合には償却資産税の対象とはなりません。

 

おわりに

美術品についてこのような取り扱いがあることを知っておくことで、

経費にできる美術品の購入の検討の余地が広がるのではないのかと思います。

ぜひこの機会に、購入を検討してみてはいかがでしょうか。(担当:杉山)

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