会計・税務の知識

2018年03月22日 発行中期経営計画の作り方①

はじめに

これまで、単年度の予算策定方法や、KPIの設定方法等をご案内しましたが、その根幹にもなるのが、会社の中期的な将来像を表現した中期経営計画です。今回から暫く、中期経営計画をシリーズにしてお送りいたします。

 

 

1.中期経営計画とは?

まず、中期経営計画とは、どのようなものかを確認しましょう。

計画策定の期間ですが、「中期」は、3~5年を指すことが多く、「年度」「来期」「翌期」といった表現で、

翌1年間の計画を示し、「長期」で10年~20年の計画として表現するのが一般的だと考えられます。

「経営計画」という用語はどうでしょうか。「事業計画」という表現もありますが、

この違いについては、明確なものはなく、中期経営計画(〇〇年事業計画)と表現している資料もあり、

中小企業を支援する「みらさぽ」内の「小規模事業者の事業計画策定支援」という表題資料でも、

内容は、「経営計画はなぜ必要か」等といった構成で、混合させています。

 

「経営計画「事業計画」に共通する要素は、ある事業についての将来ビジョンをわかりやすい図と、

文章と、数値を使って表現することだと言えます。

 

私としては、「事業計画」というのは、一つの事業単位で構成される計画でよく使われ、

経営計画は、もう少し枠を広げて、一つの事業に捉われない、企業もしくは企業グループ全体の

経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)をまとめたものとして扱われるものだと考えています。

 

 

2.中期経営計画はなぜ作成する?

中期経営計画には、3~5年で企業が目指す方向性や目標等が記載されますが、

明文化することにより、漠然とした将来の目指すべき方向性を明らかにすることができます。

もちろん、作成することを通して、情報が整理されるということもありますが、一番の効果は、

中期経営計画を策定することにより、目指すべき方向性と目標を共有することができることだと考えられます。

 

 

3.中期経営計画の策定スタイルは?

今回は、2つの作り方について説明します。

パターン1:現状からの積み上げ

最も基本的なパターンとしては、現状や過去の経営実態をベースにして、1年先、2年先を

積み上げて考えていくものです。

これは現状から積み上げていくので、無理のない計画策定がしやすくなりますが、

一方で、過去に捉われ抜本的な改革やイノベーション等は生みづらくなりがちです。

 

 

パターン2:将来ビジョンからの逆算

現状分析とは別に、3年後や5年後に、「こういう企業でありたい」というビジョンを明確に描いた後に、

現状とのギャップを分析し、埋めていく方法です。

この方法では、将来ビジョンから入りますので、現状積み上げよりも、

壮大な経営計画を描きやすくなりますが、「現実離れ」し、計画倒れに終わってしまう危険性も高まります。

 

 

 

おわりに

以上、いかがでしょうか。今回は概要にとどまりますが、また次回以降、お楽しみに!(担当:横瀬)

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