会計・税務の知識

2020年09月18日 発行相続税の税務調査について

はじめに

 

相続税の申告は、多くの人にとって馴染みがなく、手続に不安を感じている方もいらっしゃるかと思います。

中でも税務調査については特に関心が高いと思われますので、以下では相続税の税務調査の実施状況について

ご案内させて頂きます。

 

 

1.最近の税務調査の状況

 

国税庁では、実施した税務調査の状況について年度ごとにホームページで公表しています。

 

税務調査には、実地による調査(実地調査)の他、文書や電話により申告漏れや計算誤りの是正を行う

「簡易な接触」という方法もあり、直近のそれぞれの調査事績は以下のとおりです。

 

(実地調査の事績)

 

H29

H30

実地調査の件数

12,576件

12,463件

申告漏れ等の非違件数/(非違割合)

10,521件

(83.7%)

10,684件

(85.7%)

追徴税額

本税

676億円

610億円

加算税

107億円

98億円

合計/(実地調査1件当たり)

783億円

(623万円)

708億円

(568万円)

            (国税庁HP「平成30事務年度における相続税の調査等の状況」)

 

 

(簡易な接触の事績)

 

H29

H30

簡易な接触の件数

11,198件

10,332件

申告漏れ等の非違件数/(非違割合)

2,668件

(23.8%)

2,287件

(22.1%)

追徴税額

本税

37億円

42億円

加算税

3億円

2億円

合計/(簡易な接触1件当たり)

40億円

(36万円)

44億円

(42万円)

            (国税庁HP「平成30事務年度における相続税の調査等の状況」)

 

 

相続税の申告件数(被相続人数)は、直近では年間15万件程で推移していますので、ここから相続税の申告について税務調査が入る確率は約15%(実地調査:約8%、簡易な接触:約7%)と試算することができます。

 

また、実地調査では、調査件数のうち8割超に申告漏れ等の非違があり、平均で約600万円の追徴税額が発生しています。

 

このように非違割合が高い理由としては、課税当局では事前に収集した資料や情報から過少申告や無申告と想定される事案に絞って調査を実施していることが挙げられます。

 

つまり、結果として税務調査に入らなかった事案についても、課税当局内部では被相続人の財産等に関する資料や情報を収集していることになります。

 

 

2.申告漏れ相続財産の内訳

 

国税庁では申告漏れ相続財産の内訳も公表しており、直近の状況は以下のとおりです。

 

                                                                              (単位:億円)

 

H28

H29

H30

現金・預貯金等

1,070

1,183

1,268

土地

383

410

422

有価証券

535

527

388

家屋

56

62

69

その他

1,189

1,289

1,327

合計

3,233

3,470

3,474

(国税庁HP「平成30事務年度における相続税の調査等の状況」)

 

申告漏れ金額が最も多いのは、現金・預貯金等で、いずれの年度も全体の約35%を占めます。

 

これは、家族名義の預金について、実際は被相続人の財産であるものと判断され、相続財産として申告するよう指導される事案(いわゆる名義預金)が多いことが考えられます。

次いで土地・家屋が上位に入っている理由としては、評価方法が複雑であることや、相続財産全体に占める金額が大きいことが考えられます。

 

 

おわりに

 

いわゆる名義預金や名義株式については、相続税の税務調査における最重要論点の1つと言えますので、

申告にあたり特に慎重な判断が求められるものと考えます。

 

ご不安な点等ありましたら是非、弊社『安心相続』相談所までご相談ください。

                                                                        

                                                                                              (担当:大山)

 

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