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2021年06月29日 / 投稿者:Takeuchi 人口知能との付き合い方~流行に踊らされないために~

多摩大学の「現代世界解析講座ⅩⅣ」をインターネット聴講しています。6月24日収録分は、多摩大学

経営情報学部の出原至道教授による「人工知能との付き合い方〜流行に踊らされないために〜」

でした。出原教授は、「動かないコンピュータシステムを見ると燃える」タイプの教授です。

私は動かないコンピュータシステムを見ると諦めて手でやるのでITリテラシーが高まらないはずです。

 

講義では、「AIにはルールベースと学習ベースの2区分があって、単純ハーセプトロンは線形分離可能

問題しか解けないため・・・」とAIの解説が続きましたが、途中で諦めて、最後の“囲碁と人口知能”

についてご紹介いたします。

 

1997年にチェスの世界チャンピオンがAIに負けました。チェスは盤面が小さくて駒の動きも固定されて

いるというシンプルな作りのため、AIも早くに勝つことができたようです。

その後、今から10年程度前から、将棋の世界でもAIがプロを負かすようになりました。

 

そして2016年の囲碁です。グーグルのAlpha GOと世界最強と謳われた韓国のイ・セドルが対局

しました。(私はやったことがありませんが)AIとしては、囲碁は、勝負の状況が判断しにくい中で

人間との差を広げて打ちまわすという難しい作業のはずですが、4勝1敗でAlpha GOが勝ちました。

 

2017年にはAlpha GO Zeroが登場します。それまでのAIは、プロの打ち手を学習して強くなって

いましたが、Alpha GO Zeroは、プロがどのように打ったかは全く知らないまま、囲碁のルールだけを

教えて“強くなりなさい”と言ったら強くなってしまいました。

 

さらに、続いて同年に登場したAlpha Zeroは、囲碁では最強になってしまったので、将棋やチェスの

ルールを教えたところ、プロの打ち手の学習なしに、またまた勝ってしまいました。

 

このように、現代のAIは、ルールを与えられたら何でも解いてしまうというレベルにあります。

 

それでは、囲碁・将棋・チェスは終わったのか?となってしまいますが、AIの進化に伴って、逆に

プロがAIを活用して研究を始めるようになり、新たに多様な打ち手が生まれるようになっています。

(そういえば藤井聡太さんもAIで勉強していました。)

 

そこで、AIとの付き合い方です。AIはツールとしてはこの上なく優秀ですが、どうしてそのような結果

になったのかという説明可能性は低く(ブラックボックス化)、また、悩むことがない、という弱点

もあります。

人間にあってAIにないもの~人は悩むという人間性~が人間に残されたものになります。

一瞬、“えー、それだけ!?”と悩みましたが、逆に、ITリテラシーが乏しい者でも大丈夫、と妙に自信

にもなりました。

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