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2021年07月26日 / 投稿者:Takeuchi 2021年夏、日本のポテンシャルとは何か

多摩大学の「現代世界解析講座XⅣ」をインターネット聴講してきましたが、いよいよ最終回となりました。

7月8日収録分は、寺島実郎多摩大学学長による「2021年夏、日本のポテンシャルとは何か」でした。

 

日本の埋没感は、世界に占める日本のGDPの推移をみるとはっきりします。

 

(A)1988年

(B)2020年

(B)-(A)

日本

16%

6%

▲10%

日本除くアジア

6%

25%(中国17%、インド3%)

+19%

 

平成直前の1988年はアジアの中でもダントツの1位で、その後、1994年に17.9%のピークをつけます。経済以外でも、1996年には書籍で、また1997年には新聞で、発行部数がピークとなりました。1997年はハワイを訪れた日本人がMAXとなった年でもありました。

ところが、2020年には、中国・インドを含むアジアが25%と躍進する一方、日本は6%と低迷し、日本の存在感が薄れていることが分かります。

モノづくり国家を象徴する日本の基幹産業の時価総額を見ても、2021年5月末現在で、アップルの210兆円に対して、“MRJ”の三菱重工が1/200の1.1兆円、”鉄は国家なり”の日本製鉄が1/100の2兆円という、昔の企業戦士から見れば、世界が変わったどころの騒ぎではありません。

もはや、工業生産力モデルに頼っていては、日本の未来を切り開くことができないのは明らかです。

 

では、脱”工業生産力モデル”は何か、となりますが、その文脈から、IT、再生エネルギー、バイオ・・・あたりかな、と思ったら、寺島学長は「食と農」「可動型防災産業」を挙げました。

 

■食と農

日本の食料自給率はカロリーベースで37%です。米国は130%です。(東京は1%、神奈川は2%、”えっ、大丈夫?”という水準ですが、これは、物流やスーパー等のエッセンシャルワーカーが支えているためです。)

日本の人口は減少していくことから問題ないのではないか、という向きもありますが、世界の人口は爆発的に増えていきます。国民の安全・安心を高めるためには、食の安定は絶対条件となります。

 

■可動型防災産業

全国各地の災害を見るまでもなく、防災を産業の中心に位置付ける必要があります。現在、日本総合研究所では、可動型防災拠点として全国の「道の駅」に高機能コンテナを設置するプロジェクトを進めています。当該コンテナは、医療/被災者収容/風呂やトイレ等の水回りの機能を備えています。

 

松下幸之助は、PHP(Peace and Happiness through Prosperity=繁栄による平和と幸福)を唱え、日本の成長に貢献しましたが、工業化社会を表す“繁栄”からは脱皮しなければなりません。

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