スタッフブログ

2021年11月09日 / 投稿者:Takeuchi 新しい地政学の時代と朝鮮半島・北東アジアの行方

多摩大学「現代世界解析講座ⅩⅣ」の第4回目(10月28日)は、多摩大学経営情報学部の金 美徳(キム ミトク)教授の「新しい地政学の時代と朝鮮半島・北東アジアの行方」でした。

 

1.朝鮮半島の地政学と行方

1950年に勃発した朝鮮戦争は、現時点において休戦協定の状態であり未だ終結していません。そして、朝鮮半島を分断する38度線は、「100万人の兵士」「200万個の地雷」「4本のトンネル」という大変な緊張下にあります。韓国の若者に2年間の徴兵義務があることはご承知の通りです。

北朝鮮は、緻密で周到な計画に基づいて核実験やミサイル発射を繰り返していますが、その主張は、「朝鮮戦争の終戦宣言・終結をして、休戦協定を平和協定に転換し、正式な独立を勝ち取る」ことです。

仮に、朝鮮戦争の終戦宣言・終結が実現すれば、朝鮮半島の平和のみならず、日本の平和にも繫がり、米朝や日朝の国交正常化も加速します。また、「朝鮮国連軍の不要論」や「在韓米軍や在日米軍の縮小・撤退論」が浮上し、日本・朝鮮半島は自らの安保や平和のあり方を再検討することが可能になると共に、潜在的な経済力が開花するでしょう。

 

2.朝鮮戦争の終結と北朝鮮の核問題解決への処方箋

(1)A案

①北朝鮮に持続的に関与すること

北朝鮮は、干渉されたくないが相手をして欲しい、のが本音です。文在寅大統領は金正恩総書記にベタベタに関与するも、無視され続けてきました。ただ、北朝鮮としても、通信連絡線を復旧するなど、腹の底では文在寅大統領に期待している節もあります。

 

②核計画を現在レベルで封印させること

米国は、「CVID(完全で検証可能かつ不可逆的な非核化)」を取り下げて、「FFVD(最終的かつ完全に検証された非核化)」に譲歩しました。しかしながら、引き続き膠着状態にあります。

 

(2)B案

「朝鮮戦争の終戦宣言・終結→平和条約→北朝鮮を軍事攻撃しない約束」の流れを和平の枠組みとする案です。

「北朝鮮を軍事攻撃しない約束」とは、核保有国が非核保有国を核兵器で攻撃しないという“消極的安全保証”ですが、米国としては、核兵器不拡散条約(NPT)に反して核開発を続ける北朝鮮は核攻撃の対象になる、とのスタンスです。

因みに、日本は、北朝鮮核脅威の理由から、唯一の被爆国ながら核兵器不拡散条約(NPT)には参加していません。

 

2021年6月25日は「朝鮮戦争勃発71周年」、2021年7月27日は「朝鮮戦争休戦協定締結68周年」、2021年8月15日は「第二次世界大戦・終戦76周年」を迎えましたが、2045年の「核兵器が実戦使用された第二次世界大戦・終戦100周年」に向けて、歴史の進歩は図れるでしょうか。

PAGETOP

お問い合わせ