会計・税務の知識

2021年03月18日 発行(税制改正特集)教育資金および結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置の改正

はじめに

 

2021年度税制改正において、「教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」と「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」について見直しがされます。改正内容に焦点を絞って概説します。

 

 

1.改正の経緯

 

本制度は、高齢者の資産について若い世代への移転を促進するために開始しました。しかし、次の点に着目した節税策としての利用を防止する必要がでました。

・当制度を利用した贈与者が死亡した場合、贈与した資金のうち未利用額は相続税の課税対象となるものの、受贈者が孫であっても相続税の2割加算は適用されない

 

※原則1親等の血族以外の者が相続等により財産を取得した場合、相続税額の2割相当を相続税に加算する

・教育資金は死亡前3年以内の贈与以外は相続税の課税対象とならない。

 

 

2.教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

 

(1)現行制度の概要

2013年4月1日から2021年3月31日までの間に、30歳未満の受贈者が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約(教育資金管理契約)にもとづき、祖父母等から信託受益権を取得した場合等には、1,500万円までは贈与税が非課税となります。

 

(2)改正の内容

本非課税措置は、以下の措置を講じたうえで、適用期限が2年延長(2023年3月31日まで)されます。

改正①)3年以内を撤廃

教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合には、その死亡の日までの年数にかかわらず、同日における管理残額を、受贈者が贈与者から相続等により取得したものとみなす。

改正②)2割加算の適用

贈与者の子以外の直系卑属に相続税が課される場合、相続税額の2割加算の対象となります。

改正③)教育資金の範囲の見直し

1日当たり5人以下の乳幼児を保有する認可外保育施設のうち、都道府県都知事等から一定の基準を満たす旨の証明書の交付を受けたものに支払われる保育料等を加える。

改正④)電磁的方法

金融機関の営業所等が税務署に対して提出する申告書について書面による提出に代えて、電磁的方法により提供することができます。

 

(3)適用時期

2021年4月1日以後

 

 

3.結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

(1)現行制度の概要

2015年4月1日から2021年3月31日までの間に、20歳以上50歳未満の方が、結婚・子育て資金に充てるため、受贈者の父母、祖父母などから信託受益権を付与された場合等には、1,000万円までは贈与税が非課税となります。

 

(2)改正の内容

改正①)対象年齢の引き下げ

受贈者の年齢要件の下限を18歳以上(現行20歳以上)に引き下げる。

改正②)2割加算の適用

改正③)結婚・子育て資金の範囲の見直し

改正④)電磁的方法

上記②③④は、教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の②~④の改正と同様です。

 

(3)適用時期

  • :2022年4月1日以後

それ以外は2021年4月1日以後

 

 

おわりに

今回の改正により、非課税措置の適用期限が2年延長されるものの、新たに制約が設けられる部分もあるため、適用にあたっては注意が必要です。なお、教育資金の一括贈与に関する過去の改正については下記URLから御覧いただけます。併せてご参照ください。

https://www.koyano-cpa.gr.jp/archives/knowledge/6418  

(担当:齋藤)

            

 

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