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2020年09月04日 / 投稿者:Iwasaki 生暖かい雨の降水過程。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだ、にいちゃんびしょびしょじゃねぇか。だいじょぶか?」

 

コンビニに併設している喫煙所で年配の男性に声をかけられた。
そもそもたばこが吸いたくてコンビニに来たわけではないが、せっかくなのでタバコに火をつける。

 

「いやぁ、そこの郵便局から歩いてきたんですけど、折りたたみ傘じゃダメですね、靴までずぶ濡れです」

 

郵便局からの帰り道、バケツをひっくり返したような突然の雨に見舞われ、このコンビニに避難してきた。
年配の男性はおそらくここでタバコを吸っている間に雨が降ってきたのだろう、全く濡れていない。
私はといえばスーツの裾が足に張り付いて気持ちが悪い。窓から外を眺める、新潟にもこの雨は降っているだろうか。
世の中がこんなことになっていなければ、今年もこの週末あたりに新潟に行っていたことだろう。
すっかり遠のいてしまった過去の記憶に思いをはせる。気づけば年配の男性の姿はなく、さきほどまでの雨も止んでいた。
外に出ると、暑さに加えて重たい湿気が身体を取り巻くような気がした。

 

 

さて。

 

文章を書くにあたって比喩表現は非常に重要ですよね。
たとえば、上記文中にも登場した「バケツをひっくり返したような雨」これはれっきとした気象用語で、きちんと定義されている言葉です。
1時間雨量で20mm以上~30mm未満を「強い雨」、30mm以上~50mm未満を「激しい雨」、50mm以上~80mm未満を「非常に激しい雨」、80mm以上を「猛烈な雨」と表現するのが基本です。
ここに比喩表現として、「傘をさしていても濡れるような”強い雨”」といった表現を用いています。
ちなみに「バケツをひっくり返したような雨」は30mm以上~50mm未満の「激しい雨」です。50mm以上~80mm未満を「非常に激しい雨」は「滝のような雨」と表現するそうです。
なんだかもっと強いような気がしますけど、意外とバケツをひっくり返した程度の雨です。

 

書き手の趣向によってこういった文章表現は使われ方が違ってきますので、そういうことを考えながら文章を読むのはなかなか新しい楽しみがあります。

 

ちなみに冒頭の文章は私が適当に書いた物語の冒頭です。物語の冒頭を誰かのセリフで書きだしたい、というつまらないポリシーです。
うそだろ、続き書かないのかよ、と思った方がいてくれたらうれしいなぁ、とか。

 

 

ではまた。

 

 

 

 

 

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